スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

たとえ、どんな結末が待っているとしても 

「ねぇ、悟」

裕子がぼくの肩越しに声をかけた。

「うん?」

「人はどうして口じゃなくて鼻で息をするんだと思う?」

ぼくはしばらく考えてみた。

「わからない」

ぼくは言った。

「さっぱりわからないよ」

裕子は嬉しそうにくすくす笑うと、それはね、と言ってからもったいつけるように小さな間を置いた。何だか、幼い子供が手の中に隠したきれいな貝殻をそっと見せるときのような、そんな仕草を思わせた。

「それはね、キスをするときに息が苦しくならないようになの」

ひとには鼻があるおかげで、どんなに長くだってキスを続けられるんだよ。そう言って、裕子はぼくの首に冷たい唇を押し付けた。

じゃあ、馬の鼻は? 蛙の鼻は? という疑問が凍えた頭に浮かんだが、それは凍えた思考がもたらした凍えた問いかけだった。思えば、そんな鼻の機能を必要とするような長いキスは、もうずいぶんと長い間していなかった。

「鼻があって良かったね」

裕子が言った。

「おかげですいぶんたくさんのキスをしてきたよね」

そうだね。

ぼくはペダルを踏みながら何度も頷いた。






[Separation-きみが還る場所/市川拓司]より











あたしの欲求の対象物は思った以上にその欲求を満足させてくれました。

まだ、途中なんだけど。

グッときた一説を抜粋してみました。



おすすめを読んでみたい、という勇気のある方は、どうぞ。

スポンサーサイト

Comments

よすぎるーー( *´艸`)
きゅんきゅんしちゃいましたv-238
機会があったら読んで見ますーv-10

*たかこさん
実は悲しい設定だったりするんです。
でもここだけ読むと確かにきゅんきゅんしますね☆笑
ぜひぜひお試し下さいv-22

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackbacks URL
http://cappuccinonn.blog84.fc2.com/tb.php/31-505d7a61

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。